テレアポでアポイントを取るために、あなたは何を考えて電話をしていますか?
「どうすれば商品に興味を持ってもらえるか」
「どう話せば断られないか」
「どんな切り返しをすればアポになるか」
もちろん、こうしたことを考えるのは大切です。
しかし、私は長年テレアポを続ける中で、アポイントを安定して取る人には、もう一つ共通していることがあると感じています。
それは、
「どう売るか」ではなく、「どうすれば相手のお役に立てるか」を考えていること。
です。
私はこれを、「For You」の考え方と呼んでいます。
自分のためではなく、相手のために。
商品を売ることだけを考えるのではなく、
「この電話が、この会社にとって何か役に立つものにならないか?」
と考える。
この意識を持つだけで、テレアポの話し方も、聴き方も、アポイントに対する考え方も変わってきます。
今回は、私がテレアポを実践する中で大切にしている「For You」の考え方について紹介します。
テレアポでアポが取れる人は「売る」ことを最初に考えない
テレアポでは、どうしても「売る側」の視点になりがちです。
例えば、
「弊社の商品には○○という機能があります」
「○○というメリットがあります」
「今ならこういうキャンペーンがあります」
と、自社の商品やサービスの説明から入ってしまいます。
もちろん、商品を知ってもらうことは必要です。
ただ、相手からすると、
「それが自分たちに何の関係があるの?」
という状態かもしれません。
そこで私は、商品の説明をする前に、
「この会社にとって、何か役に立つ可能性はないだろうか?」
と考えるようにしています。
これが「For You」です。
「For You」とは何か?
For Youを簡単に表現すると、
「あなたにとって、何か役に立つものを提供したい」
という考え方です。
反対に、
「こちらの商品を売りたい」
だけでは、For Meになってしまいます。
もちろん営業ですから、最終的には商品やサービスを利用していただくことが目的です。
しかし、そこだけを見てしまうと、
「売りたい」
という気持ちが強くなります。
すると、
- 相手が話しているのに説明を続ける
- 「必要ない」と言われても切り返し続ける
- 相手の課題を勝手に決めつける
- とにかくアポイントを取ろうとする
といった行動につながることがあります。
私は、ここにテレアポの難しさがあると思っています。
「役に立つ」とは、必ずしも「導入してもらう」ことではない
ここは、非常に大切なポイントです。
「役に立つ」と聞くと、
「商品を導入してもらうこと」
と思うかもしれません。
しかし、私はそうではないと考えています。
例えば、今すぐ導入する予定がない会社でも、
「こういうサービスがあることを知れた」
「他社の事例を知ることができた」
「今のやり方を見直すきっかけになった」
のであれば、それも一つの価値です。
だから、
「今すぐ導入してください」
ではなく、
「今後の参考になるようでしたら、一度詳しい話を聴いてみませんか?」
という提案もできます。
相手にとって判断材料になるのであれば、話を聴いていただく意味があります。
アポが取れる人は「相手の状況」を先に考える
アポイントを取るのが上手な人は、ただトークが上手なわけではありません。
相手の状況を考えています。
例えば、同じ商品を案内するとしても、
A社
「現在の方法で特に問題ありません」
B社
「担当者によってやり方が違って困っています」
C社
「半年後くらいに見直す予定です」
D社
「今すぐではないですが、他社事例は知りたいです」
これらの会社に、同じ話をしていいでしょうか?
私は、違うと思います。
相手の状況によって、
「何を伝えるべきか」
が変わるからです。
だからこそ、テレアポでは話す前に聴くことが重要になります。
「売る」より先に「聴く」
以前の記事でも書きましたが、私はテレアポにおいて「聴く力」を非常に大切にしています。
詳しくはこちらの記事で紹介しています。
「テレアポで相手の本音を引き出す方法|アポを取る前に大切な『聴く力』」
相手の状況を聴かなければ、
「何が役に立つのか」
が分からないからです。
例えば、
「現在、○○についてはどのように対応されていますか?」
と聴く。
相手が、
「Excelで管理しています」
と答えた。
そこで、
「なるほど。Excelで対応されているんですね。運用される中で、特に手間がかかるところはありますか?」
と聴いていく。
すると、
「担当者が変わると引き継ぎが大変なんです」
という話が出てくるかもしれません。
ここまで聴いて初めて、
「この会社にとって、こういう情報は役に立つかもしれない」
と考えられます。
アポが取れる人の共通点①「自分が話したいこと」より「相手が知りたいこと」を考える
営業電話では、どうしても、
「これを伝えなければ」
という気持ちになります。
しかし、相手が知りたいことと、自分が伝えたいことは同じとは限りません。
例えば、
こちらは、
「業界トップクラスの実績があります」
と伝えたい。
でも相手は、
「実際に同じ業界でどう使われているの?」
を知りたいかもしれません。
こちらは、
「便利な機能がたくさんあります」
と伝えたい。
でも相手は、
「今の作業時間がどれくらい減るの?」
を知りたいかもしれません。
だから私は、
「何を伝えるか」より「相手は何を知りたいのか」
を考えるようにしています。
アポが取れる人の共通点②「相手のNO」を否定しない
テレアポでは、断られることがあります。
「必要ありません」
「間に合っています」
「今は考えていません」
これは、テレアポをしていれば必ず経験することです。
ここで重要なのは、
NOをなんとかYESに変えようとしすぎないこと。
私は、相手のNOにも理由があると思っています。
例えば、
「必要ない」
という言葉の中にも、
- すでに別のサービスを使っている
- 今は優先順位が低い
- 導入時期が先
- 現在の方法で問題がない
- 詳しく知らないので判断できない
など、さまざまな背景があります。
だから必要であれば、
「承知しました。ちなみに、現在の方法で特に問題がないという状況でしょうか?」
と聴いてみる。
それでも必要ないのであれば、そこで引く。
相手の意思を尊重することも、For Youの一部です。
アポが取れる人の共通点③「相手に選択肢を渡す」
私は、テレアポでは「判断委託」を大切にしています。
これは、
「私が決めるのではなく、最後は相手に判断してもらう」
という考え方です。
例えば、
「すぐに導入を決めていただくようなお話ではありません。現在の事例や具体的な使い方を聴いていただいて、今後の参考になるかどうかをご判断いただければと思います。」
という伝え方です。
ここには、
「絶対に導入してください」
という圧力がありません。
相手に、
「話を聴く価値があるかどうか、自分で判断してください」
と委ねています。
このほうが、相手も心理的な負担を感じにくくなります。
アポが取れる人の共通点④「自分の数字」だけを見ていない
テレアポではKPIがあります。
- 架電数
- 接触数
- 会話数
- アポイント数
- アポ率
こうした数字を追うことは非常に大切です。
私自身も、数字を大切にしています。
ただし、
数字を追う。でも、数字に追われない。
このバランスが重要だと思っています。
「今日はアポが取れていない」
という気持ちが強くなりすぎると、
「何とかしてアポにしなければ」
という焦りが生まれます。
すると、相手の話を聴けなくなります。
だから私は、
数字を見ることと、目の前の人を見ることを両立する
ことを意識しています。
アポが取れる人の共通点⑤「この電話で何を残せるか」を考える
私は、すべての電話がアポイントになるとは思っていません。
しかし、アポにならなかった電話にも意味があります。
例えば、
「今は必要ない」
ということが分かった。
「来年なら検討する可能性がある」
と分かった。
「現在は競合サービスを利用している」
と分かった。
これらも大切な情報です。
だから、
「アポにならなかった=失敗」
ではありません。
一つ一つの会話から情報を得ることで、次のアプローチが変わります。
これも、相手にとって必要なタイミングで役に立つための準備になります。
「For You」で考えると、トークが変わる
例えば、次の2つの考え方を比較してみます。
For Me
「この商品は便利なので、ぜひ導入してほしい」
For You
「この会社の状況を見ると、この情報を知ってもらうことが役に立つかもしれない」
同じ商品を扱っていても、考え方が違います。
For Meでは、
「どうやって売るか」
を考えます。
For Youでは、
「どうすれば役に立てるか」
を考えます。
その結果、質問の仕方も変わります。
話し方も変わります。
そして、アポイントの取り方も変わります。
For Youで使えるテレアポの基本ステップ
私が考える「For You」のテレアポは、次の流れです。
STEP1 まず相手を知る
「現在、○○についてはどのように対応されていますか?」
↓
STEP2 相手の話を聴く
「なるほど、現在は○○なんですね。」
↓
STEP3 状況を整理する
「ということは、○○については現在問題なく運用されているということですね。」
↓
STEP4 必要な情報を考える
「そうであれば、○○の事例が参考になるかもしれません。」
↓
STEP5 相手に判断してもらう
「今後の参考として、一度詳しい話を聴いてみられますか?」
この流れです。
大切なのは、
いきなりSTEP5に行かないこと。
相手の状況を聴く前にアポイントをお願いするのではなく、
聴く → 理解する → 役に立てることを考える → 提案する
という順番を意識します。
「役に立つ」と「おせっかい」は違う
ここも、For Youを考える上で大切です。
「相手のために」と考えすぎると、
「これは絶対に役に立つから、聴いてもらいたい」
と、こちらの価値観を押しつけてしまうことがあります。
それでは、For Youではなくなってしまいます。
本当に相手のためを考えるのであれば、
「役に立つかどうかを決めるのは相手」
ということも理解しておく必要があります。
こちらが、
「絶対に役に立つ」
と思っていても、相手には必要ないかもしれません。
だから最後は、
「もし今後の参考になりそうでしたら、一度聴いてみてください。」
と、判断を委ねる。
これが私の考える「For You」です。
商談に入りやすいアポイントも「For You」から生まれる
私は、アポイントは「取ったら終わり」ではないと考えています。
アポイントを取った後には、商談があります。
その商談を担当する人が、
「どんな会社なんだろう?」
「何について話せばいいんだろう?」
とならないように、テレアポの段階で必要な情報を整理しておく。
例えば、
- 誰と話したのか
- どの部署・役職なのか
- どんな業務を担当しているのか
- 現在どのように対応しているのか
- 何に困っているのか
- 何を知りたいのか
- なぜ話を聴いてみようと思ったのか
こうした情報です。
これは、商談担当者のためだけではありません。
結果として、お客様がスムーズに必要な情報を得ることにもつながります。
だから私は、
「商談に入りやすいアポを作ることもFor You」
だと考えています。

For Youは「利他の心」とつながっている
私がテレアポで大切にしている言葉の一つに、
「利他の心」
があります。
自分の成果だけを見るのではなく、
「この電話を受けてくださった方に、何か一つでも役に立つことができないか?」
と考える。
もちろん、営業なのでアポイントという成果は必要です。
数字も追います。
成果も求めます。
でも、その根っこにあるものが、
「お役に立ちたい」
という気持ちであれば、電話の向こうにいる相手への向き合い方が変わります。
私は、この気持ちをテレアポの技術だけではなく、営業としての姿勢として大切にしています。
「For You」を意識すると、アポの質も変わる
テレアポでは、
「何件アポが取れたか」
という数字は非常に分かりやすい成果です。
しかし、本当に大切なのは、
「そのアポイントが、相手にとって意味のある時間になりそうか」
ということではないでしょうか。
相手が、
「話を聴いてみてもいい」
と思える。
商談担当者が、
「この情報があれば話を始めやすい」
と思える。
そして、商談を通して、
「この会社に相談してよかった」
と思っていただける。
その最初の入口が、テレアポです。
だから私は、アポイントを単なる「数字」として捉えないようにしています。
まとめ|「売る」より「役に立つ」を考える
今回の記事のポイントをまとめます。
アポが取れる人に共通する「For You」の考え方
- 売ることより、相手の状況を考える
- 自分が話したいことより、相手が知りたいことを考える
- まず相手の話を聴く
- 相手のNOを否定しない
- 相手に選択肢を渡す
- 自分の数字だけを見ない
- アポにならない電話からも情報を得る
- 商談に入りやすい情報を整理する
- 最後の判断は相手に委ねる
- 「この電話は相手の役に立つか?」を考える
テレアポは、商品を売るための電話です。
しかし、私はそれだけではないと思っています。
人と人が最初につながる電話でもあります。
だからこそ、
「どうすれば売れるか?」
だけではなく、
「どうすれば、この人のお役に立てるだろう?」
と考える。
その気持ちが、質問の仕方を変え、聴き方を変え、話し方を変え、最終的にはアポイントの質を変えていきます。
私は、
「アポを取る。でも、アポを取ることを目的にしない。」
という考えを大切にしています。
数字は追います。
でも、数字に追われない。
目の前の一人の方に向き合い、
「1コールを大切にする」
こと。
そして、
「売る」より「役に立つ」。
これが、私が長年テレアポを続ける中でたどり着いた、For Youの営業です。
心を整え、心穏やかに。
一つひとつのご縁を大切にしながら、これからも人のお役に立つコールを追求していきます。
